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旅館こうろの若旦那、フリーダイバー北原達馬のオフィシャルブログ
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世界選手権 in バハマ・旅行記
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    JUGEMテーマ:フリーダイビング

    長らく留守にしておりましたが、一昨日の晩、無事帰国致しました。昨日は長旅の疲れと時差ボケで爆睡していました。今日もまだ時差ボケは完全には抜けていません。バハマに到着したときもそうでしたが、3日目くらいまではすっきりしませんね。

    さて、2週間に及んだこの旅について報告しなければならないと思います。少々長くなりますが、お付き合い下さい。むこうで更新が出来ればよかったのですが、ネット環境が限られており、うまくいきませんでした。

    ■11月21日(土)
    出発前日の夜。荷物は揃っていたので、後はどうパッキングするかです。航空会社や行く地方によって若干荷物の重さの制限が違うようですが、詳しく調べるのは面倒なので、20Kg以内に抑えることにしました。これが用意した荷物を詰めると抜群にギリギリの重量で、数百グラムの増減を繰り返しながら、持っていく物、あきらめる物の選定に頭を悩ませました。
    結局、別のメンバーに電話で話したところ、多少のオーバーは気にすること無いというアバウトな感じだったので最終的には若干オーバー気味でも良しとしました。


    ■11月22日(日)日本時間 朝5時30分
    長旅のはじまりです。起床し、身支度を整えると父親に車で京都駅の空港バス乗り場まで送ってもらいました。ここから伊丹空港までは50分ほどです。
    予定通り伊丹空港に到着し、難なくチェックイン。しばらくラウンジで過ごして搭乗します。羽田まではほんの45分ほど。待ち時間の方が長いです。新幹線で行ってもよかったのですが、今回なんとなく飛行機で移動。

    羽田で荷物を受け取ると、同じくこの日出発する沖縄からのメンバーY夫妻と合流します。なんと荷物の受け取り場には夫妻の他にも見慣れた顔が!いつも沖縄でお世話になっているOさんです。YさんとOさんも知り合いですが、偶然にも那覇で同じ飛行機に乗り合わせたそうです。Oさんは東京で知人の結婚式があるため出てきたそうで。とてもうれしい偶然でした。その場で沖縄のお菓子を手渡され、若干以上に荷物がかさばるという、うれし悲しいハプニングw

    その後、バスで成田に移動。1時間ちょっとです。
    成田ではさらに女子の代表選手Hさんと合流。早速みんなでチェックインです。予約はバラバラに取ったのですが、チェックイン時にお願いして、4人で並んで座れる席を確保して頂きました。まずはアトランタまで12時間以上の長いフライト。みんなで話をしながらなら暇もつぶせます。

    私は実は10年ぶりの海外。出国審査や海外へ出るセキュリティチェックを受けるのは久しぶりです。と言ってもまだここは日本ですから問題なしです。
    出発ゲート付近の売店では早速ドルが使えます。この旅行中、機内販売なども100円=1ドルの換算となっていましたが、実際は80円後半から90円程度で換金しているのでドルで買った方がお得ですね。

    チェックインの際の感じだと、そんなに席が埋まっている感じではないのかと思っていましたが、実際には満席でした。
    今回利用した航空会社はデルタ。エコノミーの席は異様に狭く感じました。これで12時間は確かにきつそう・・・。
    軽く1時間ほど遅れて出発。出発後すぐに機内の照明が落ちます。みんな頭に「?」マーク。これって経費削減のため?時差ぼけ対策のため?食事の時間になっても照明は戻らず。結局なんのことか良く分かりませんでした。
    大してお腹は減っていないのですが、食事や飲物、おやつを食べさせられます。暇なのでついつい食べてしまいます。
    食事時間は日本時間とも現地時間とも違うようで、どういう基準で出しているのか分かりませんでした。
    あと、機内で他のメンバーとも話したのは、とにかくデルタのフライトアテンダントのサービスが悪いこと。言葉づかい、態度、表情、すべてが特にサービス業としての教育を受けている感じではありませんでした。それを考えると日本国内の航空会社のサービスはレベルが高いなと思わせられます。

    一緒に行った3名の内、2名は代表選手でフリーダイバーとして非常にレベルの高い人間です(まあ私も代表ですが)。特に1名は女子のトップ選手で数々の日本記録を持たれています。2人のフリーダイビングの技術的な会話は私には割ってはいることが出来ない内容でしたが、とても勉強になりました。


    ■11月22日(日) 現地時間13時
    機内で寝ようと思いましたがまったく眠れず。結局ウトウトとした時間を合わせても1時間程度寝たかどうかというままアトランタに到着しました。
    ネタとして面白かったのはアトランタの税関で、羽田で受け取った沖縄土産が引っかかってしまったことです。またこの時頂いたお菓子が微妙に説明しにくいもので、少し困ってしまいました。結局肉類は使用していないということだけ確認されて、なんとかパス出来ました。

    アトランタからさらにバハマのナッソーという都市まで飛びます。そこで1日目の移動は終了です。乗り継ぎには多少余裕があり、預けた荷物も受け取る必要が無かったので、アトランタの空港でしばらくのんびり過ごしました。
    さらにここでもう1名の代表Iさんと合流。計5名となりました。

    アトランタからバハマまで再度出国手続きとなりますが、入国と違って出国は気楽な感じでした。ナッソーまでは同じデルタ航空です。フライト時間は2時間ちょっと。さっきまでのフライトと比べると格段に短いと思っていましたが、よく考えると普通に関西から沖縄に行くのと変わりません。アトランタからナッソーへ渡る便でもう日本人は我々以外に居なくなっていました。

    ナッソーへ到着すると、やはり蒸しっとした空気が流れてきました。南国の雰囲気です。アトランタまではコートを着ていましたが、もう脱がなければなりません。そして空港はやはり「地方」という感じが否めません。
    ここの入国審査で多少手間取ってしまいました。バハマは英語ですが、やはり訛りがあり、もともとまったく英語が不得意な私にはどうしても聞き取れない言葉がありました。結局文字で書いてもらってなんとかなりましたが。

    荷物の受け取り場では早速親切なおじさんが近づいてきて、荷物を運んでくれます(チップ目当て)。5名とこの大荷物が1台のタクシーに乗れるのか?と聞いたところ、大丈夫だとのこと。乗り場まで案内してくれました。
    しかし、そこにあったのはなんと「リムジン」。 リムジン

    やばいんじゃないの?という雰囲気が一堂の間に流れますが、それよりもリムジンの出現にテンションが上がり、記念撮影が始まってしまいます。ダウンタウンのホテルまでの料金を聞くと60ドルと言われました。安くはないです。現地の相場で言えば倍以上の値段ですが、でも高くもないです。一人頭12ドルです。ダウンタウンまでは20分ほどかかるので、日本で一人でタクシーに乗ればもっとかかるくらいです。
    そんな訳で結局これも旅の思い出ということでみな納得し、リムジンで安宿に乗り付けることになりました。
    信号のほとんど無い道を走り続け、この日の宿に到着。

    この宿で最悪の出来事が。ハズレを引いてしまいました。パッと見そんなに悪い部屋ではないので、最初は機嫌良く過ごし、シャワーを浴びてようやく就寝しようと思ったとき、ちょっとカバンから物を出そうと手をいれると、なにやら「もぞっ」という感触が手の甲を。もしや、と寒気が走ります。そーっとカバンを覗くと人類の敵、ゴキブリちゃんがいます。ここでキャーと悲鳴を上げなかっただけ成長したものですが、それくらい私はゴキブリが嫌いです。
    まずはカバンから奴を出さなければという思いでしばらく格闘していたのですが、その最中にさらにもう一匹がベットのマットレスの隙間から顔を出しているのが見えました。これはまずいです。ベットにゴキブリが居ると分かった時点でもうここで寝るのは不可能です。
    取りあえずベットのゴキブリを追い払わねばと、布団をめくるとさらに数匹のゴキブリが!なんやここはゴキブリの巣窟やないかい!!
    これはもう一晩格闘したところで、どうにもならないと思いました。殺虫剤をもらっても、部屋を変えてもらってもこの土地がそう言う場所なんだと思ったからです。他のみんなはどうなのか?とも考えましたが、すでに就寝しているようでしたので、一人で悩んだあげく、電気をつけたまま常に命を狙われる暗殺者の如く椅子に座って寝ようとしました。最悪です。明日から早速練習が始まるのです。機内でもほとんど寝ていないのにここでも睡眠がとれなかったらもう体調を整えるのは無理です。

    結局一晩中電気をつけたまま、ベットの隅っこに乗っかって寝ようとしましたが、無理でした。朝4時には寝るのを諦め、出発の用意をしました。


    ■11月23日(月) 現地時間 朝5時30分
    昨晩から予約しておいたタクシー(普通のタクシー)に乗り、まだ暗いなか空港へ向かいます。国内線でバハマのロングアイランド、デデマンズ・キー空港へ飛びます。サウザンエアチャーターというローカルの航空会社です。予想はしていましたが、20名乗りのプロペラ機でした。プロペラ機に乗るのも久しぶりです。

    特に遅れることもなく、定刻に出発。朝日を浴びながら飛び立ちました。ロングアイランドまでは1時間弱です。
    この機内でようやく少し睡眠がとれました。ほんの30分ほどですが。着陸が怖かったです。窓から見える景色は生い茂る木々ばかり。このまま森に墜落するんじゃないかと思った瞬間、小さな飛行場に着陸します。やれやれと思ったら、どうやらまだデッドマンズ・キー空港ではなかったようです。途中別の空港に寄るとは聞いてなかったのですが、ホッとしたのも束の間、また飛び立ちました。10分ほど飛んで今度はデッドマンズ・キー空港。再度ヒヤヒヤものの着陸を経験し、ようやく目的地到着!

    小さな空港では日本のトップダイバー篠宮龍三選手が我々を迎えてくれました。この日からお世話になる2つの宿のオーナーも一緒でした。
    残念ながら、日本チーム全員が同じ宿に泊まることが出来ず、2つの宿に分かれることになっていました。一旦それぞれの宿に分かれてチェックインを済まし、十分休憩した後ブルーホールに向かい、練習開始です。

    基本的に陸上の交通機関がないので、足はレンタカーを利用します。レンタカーの大半は日本車で、バハマは日本と同じ左側通行なので、運転に特に不安はありませんでした。ただし、私の宿のメンバーが使用したレンタカーはスピードメーターは壊れているし、シートベルトはちぎれているという状態でした。おまけにガソリンもほとんど入っていません。日本じゃとても通用しないですよね。いい加減なものです。と言うか、この適当さが「島感」を増大させ、かえってホッとします。

    到着した5名の内、私を含む2名がみんなとは別の宿です。宿というか、コテージです。オーナーに案内されてコテージに到着。すごい立地です。正直こっちの宿でラッキー!と思いました。
    カリブ海を眼前に望む、すばらしい眺めの場所です。コテージはこぢんまりとしていますが、清潔で明るい内装、非常にかわいらしい建物です。キッチンもバスルームもあり、1人で泊まるには十分すぎます。
    さらにベランダから外へ出るとプールまでついています。リゾート感満載です。
    帰るその日まで非常に快適に過ごせました。ゴキブリもいませんでしたし(サソリはいましたが・・・)。

    シーグレープ外観
    こんな感じ。

    シーグレープ室内
    内装もイイ感じ。

    シーグレープベランダ
    テラスからは見渡す限り海。

    練習開始まで数時間余裕があったので、早速仮眠を取ることにしました。時差ぼけを解消するためには昼間から寝ない方がいいらしいのですが、さすがにここへ到着するまでの2日間で計数時間しか眠っていない状態でそうも言ってられません。
    ぐっすり2時間ほど寝ました。

    いよいよブルーホールに向かいます。さて、ブルーホールとは?単に「ブルーホール」と呼ばれる場所は世界に何カ所かあり、このロングアイランドのブルーホールは正式にはDean's Blue Holeと呼ばれます。とても変わった地形で、海中に釣り鐘状の縦穴が形成されており、特にこのDean's Blue Holeは水深が200m以上もあります。
    この特殊な地形は、フリーダイビングには最適と言えます。フリーダイビングは海中を垂直に、呼吸器具を使わず一息でどこまで潜れるかを競う競技ですが、現在の世界記録は122mに達しており、この水深を外洋で取るとなるとなかなか大変です。外洋には波や流れがあり、海況が安定しないからです。また、万一の事故が起こった場合、陸から離れるほど危険度は増します。その点、このブルーホールはビーチからいきなり水深200mになっており、ほんの10秒ほどで陸と行き来できます。湾内にある縦穴のため、波の影響をほとんど受けず、流れもないため常に安定した海況で、ダイバーが潜水するには最高の環境なのです。まさに聖地と言えます。

    遠浅の普通の海水浴場のようなビーチの端っこに突然水深200mの縦穴があり、子供連れの海水浴客が泳ぐ傍ら、フリーダイバーが水深100m以上を潜っているという不思議な光景を見ることが出来ます。

    まずは写真を見て頂きましょうか。

    横断幕
    大会の横断幕

    ブルーホール
    とうとうブルーホールに立つ!

    ブルーホール・上から
    上からみると分かりやすいですね。

    ブルーホールの真上にプラットフォームが浮かべられています。この上にロープを設置するカウンターバラストと呼ばれるシステムが置かれたり、ジャッジやドクターが待機したりしています。
    以前から写真は見ていましたが、思っていたよりさらに岸から近く、プラットフォームはほんのすぐそこにあるように見えます。あそこがもう水深200mかと思うと、日本で50m以上の水深が取れるポイントを探して船で沖へ出て行くのがバカバカしく思えます。

    プラットフォームに設置されたロープを使って練習出来る時間は割り当てが決まっており、毎日前日までに大海主催者側に申し込んでおかなければなりません。1人の持ち時間は20分しかありません。とても短いように思いますが、もともとフリーダイビングの練習は基本的に集中して1本潜ったら終わりです。大深度への潜水は体への負担が大きく、1日1本しか潜ることが出来ません。
    私もこの日38mしか潜っていませんが、翌日は1日体が動きませんでした。この深度だともっと深いところへ潜った場合とは体にかかる負担の意味が違うのですが、とにかく久しぶりに海に入ったこともあり、思った以上に疲れてしまいました。
    もともと翌日の24日は休養日と考えていたのですが、正解でした。

    練習中
    練習風景

    練習の後、シャワーを浴びてしばらくくつろいだ後、他のメンバーが泊まっている空港近くのエレンズインという宿に集合し、そちらで夕食を作ることになりました。この日はベタにカレーです。なんだかんだ言ってカレーは手軽で美味しい料理ですね。こちらの宿にはフランスチームも泊まっています。篠宮さんは早くから現地に滞在していたので、カレーやシチューをふるまったそうですが、とても好評だったそうです。カレーはもはや日本食ですね。

    明日はお休み。気持ちよく寝られそうです。


    ■11月24日(火)
    この日はもともと決めていた休養日。今後の練習計画としては、25日、26日の公式練習に参加し、27日は休養して28日の試合本番に望む、となります。結局これだけ前から現地入りしても3回しか練習出来ないわけです。
    しかし休養も本当に大事で、今回の日程ではこの計画に間違いないはずです。
    僕は休みですが、別棟のメンバーが練習したいとのことで、ブルーホールまで車で送ることになっていましたので9時頃には出発出来るように準備していました。その後、ちょっと色々あったのですが、買い物などをしてエレンズインで昼食をとりました(昨日の残りのカレーとコンクサラダ)。そして、ん?何か忘れている・・・!そうです今日からもう1名増えるので空港に迎えにいかなければなりません。あわてて、数名が車で空港へ向かいました。しばらくして女子CWT代表、最年少のHHさんが到着。一瞬、渋谷のギャルが来たと一同若干の驚き。そんな出で立ちでしたが、実は彼女は御蔵島出身で、意外と野生児です。HHさんの特殊な技術により滞在中我々は多大な恩恵を受けることになります。

    HHさんは僕と同じコテージの女性棟に宿泊なので、その後一緒にコテージへ戻りました。他のみんなも噂のコテージを見に集まってきて、どうやらプールで遊ぼうという話になったようです。
    僕はフリーダイビングを長くやっているので勘違いされていますが、日本代表になったのは今回が初めてです。
    これまでの世界大会の様子をネットで見たことがありますが、毎回オフの時にはみな楽しそうにプールで遊んでいる様子が掲載されていました。
    とうとうそれとおなじ事をやるのです。

    まずは軽く蹴伸び大会から。壁を蹴ってどこまで進めるか。次にバブルリング。この辺はまだ準備運動。
    そして次はとうとう水中ピラミッド。組み体操のピラミッドを水中で行います。軽く5分、6分息を止めていられるフリーダイバーなら水中に滞在すること自体は難しくありません。体が浮いてしまわないように、息を吐いて、あとはバランス良く組み立てるだけです。2回ほどチャレンジしましたが、まあまあ上手くできたと思います。
    次にやったのは人間タワーですが、これは普通にバランスをとるのが難しく、何度か試しましたが結局うまくいきませんでした。残念!

    次にやったのは本当にバカバカしくて、何度も吹きだして笑ってしまいました。「人間・風雲た○し城」です。
    フリーダイビングにはパッキングという技術があって、肺活量を数十%も引き上げることが出来るのですが、この技術をつかって風船のように水面に並んで浮かんで、その上を人が歩いて渡れるか?という遊びです。
    実際上を歩く人の方が緊張したらしく、全然うまくいきませんでした。その後悪ノリで普通に頭の上を歩け!ということになったのですが、首が逝ってしまうという怖さのあまり、これまた歩く人の方が腰が引けてしまい、まったくうまくいきませんでした。

    写真や動画をとってしっかり楽しんだ後、いい加減寒くなってきたので、シャワーを浴びて一時解散。その後またエレンズインに集合して夕食となりました。この日はパスタです。沖縄から参加のYさんは非常にグルメな方で、滞在中は数々のお料理をふるまって頂き、大変助かりました。


    ■11月25日(水)
    この日から大会が正式に始まります。ブルーホールのあるビーチには特設の屋台が建ち、公式練習も始まります。
    公式練習ではオフィシャルのセーフティダイバーが入ってくれるので、その分負担が軽減されます。

    この日はオープニングセレモニーが行われます。ブルーホールから10分程車で走ると、クラレンスタウンという街に到着します。ここのコミュニティセンターというところで行われます。まず、選手登録が行われます。各種誓約書に記入をしたり、健康診断書を提出したりします。

    その後、主催者側から注意事項などのアナウンスがありました。そして選手は一旦会場の外に出されます。各国のチームが国旗を持ってアルファベット順に並んで、セレモニーの準備が整い次第、再度会場への入場を行うのです。
    次々に国名、参加選手名がアナウンスされ、会場の舞台へ上がっていきます。今回のイベントはロングアイランド的には一大イベントとして歓迎してくれており、町中でも出会った人が「よくきたな!」と声をかえてくれて握手をしてくれます。
    なんだか良く分かりませんが、セレモニーでは地元のお偉いさん的な人が次々に壇上にあがり、演説をおこなって下さいました。

    オープニングセレモニー

    日本代表メンバー
    日本代表チーム!

    すっかりお腹も減ってきていました。長い演説にも疲れました。ようやく演説が終わると、立食形式で食べ物、飲物が頂けました。全員が満腹になるほど十分な量だったかどうかは微妙ですが、意外とおいしかったです。
    地元の観光協会的な組織からは観光案内の資料や、お土産が各選手に配られました。実はこれまでロングアイランドの地図はろくな物が手に入らなかったのですが、ようやく詳細な地図を得ることが出来ました。


    ■11月26日(木)
    この日も公式練習。実は私の昨日の練習はうまくいってなかったのですが、この日も大失敗。最後の練習だと言うのに、まったく良い流れが出来ませんでした。
    気を取り直して、屋台でコンクサラダを注文。コンクサラダはコンク貝を切って、細かく切った玉ねぎ、ピーマン、トマトに塩、唐辛子、を混ぜたあと、オレンジやライムなどを丸ごと絞ってたっぷり果汁をかけます。コンク貝自体に結構甘みがあり、唐辛子と合います。そこにフルーツの酸味が加わってさっぱりした味になっています。しかし、結構量が多くて、食べ切るには重いです。この辺、適正量というのが日本の感覚とは違いますね。5ドル。ロングアイランドの物価は思ったより高いです。

    コンクサラダ

    この日は練習が早めに終わったので、午後からは別のビーチに遊びに行くことになりました。目的は今日の夕食のゲットです。
    1時間半ほど泳ぎましたが、あまりおもしろいビーチではありませんでした。水中は草ばかり生えていて、岩場があまりありません。海老や貝はいそうにありませんし、魚も少ないです。
    しかし引き上げる途中でようやくコンク貝を見つけました。で、岸に戻ってみると、別のメンバーもコンク貝を拾っていました。しかし形が違います。さて、どちらがコンク貝?分かりません。取りあえず両方持って帰って詳しい人に聞いてみることに。
    そして最後に帰ってきたハンターHHさんは見事に魚を仕留めていました。実に美味しそうな魚です。

    さて、17時からはイベントコミッティが行われるので、会場である教会にいかなければなりません。大会が始まるとほとんど毎日のようにイベントコミッティと言うものが開催されます。イベントコミッティでは、翌日の競技の注意点の案内や、質問の受付が行われます。明日から順次競技が始まるので、この日は特に長めのイベントコミッティでした。競技は27日女子のCNF予選、28日男子CNF予選、30日女子CWT予選、1日男子CWT予選の順に行われていきます。

    イベントコミッティ
    イベントコミッティの様子。通常自分の競技前日のイベントコミッティには参加しますが、そうでなければ必ずしも参加する必要はありません。

    イベントコミッティ後にはまたエレンズインに集合し、夕食を作ります。今日は獲ってきたお魚も調理しないといけません。
    ところで、魚はなんでも食べられるというわけではなく、中には食べない方がよい魚もいます。美味しいか美味しくないかではなく「シガテラ」という毒性のプランクトンを好んで食べている魚とそうでない魚がおり、シガテラを体にため込んでいる魚は食べられないのです。これは熱を通してもダメです。我々は見ただけではその魚がシガテラを食べる魚かどうか分かりませんので、いちいち詳しい人に聞かねばなりません。
    幸いこの日の魚は食べることが出来ました。ホイル焼きとなりました。

    そしてコンク貝です。私の獲ってきた貝がハズレでした。コンク貝でないどころか、毒だから絶対食べてはいけないそう。
    で、正解のコンク貝を食べてみようということで、早速身を取り出す作業に。コンクサラダの屋台で、殻を割って身を取り出す様子を見ていたので、同じようにやろうとしたのですが、コンク貝の殻はものすごい硬さ。Yさんが必死で格闘しましたが、石を使っても鉛のウェイトを使っても、叩いた物の方が砕けるというコンクの防御力。やはり専用のハンマーが必要なようです。最終的にドライバーでちょっとずつ殻を割っていく地味な方法でなんとか1つのコンクから身を取り出します。苦労した割りに、得られた身はほんのちょっと。しかし、かなりの美味しさです。日本人らしく刺身にして山葵醤油で頂きましたが、なかなかのもの。日本なら高級食材になれるかも。サラダにしている場合じゃありません。バハマにコンクは刺身で食べるべしと伝えるべきです。


    ■11月27日(金)
    いよいよ競技が始まります。この日は女子のCNF。足ヒレを着けずに潜る競技です。日本からは2名が参加しました。
    朝から一緒について行って、競技を見守りました。2名ともうまくいきました。特にKさんは日本記録を更新することにも成功しました。すばらしいですね。これにより、決勝に進むことも出来ました。
    女子のCNFは減点や失格が続出で、この競技の難しさを感じさせられました。私は明日の出場となりますが、男子はどうなるでしょうか?
    さて、フリーダイビング競技の特徴は「事前申告」があることです。競技前(直前であることも前日であることもある)に自分がどれくらい潜るかを用紙に書いて提出しないといけません。特に海洋の競技では、申告した以上に潜ることは出来ません。これは安全上絶対に必要なルールです。
    つまり、競技前に全員が成功した場合の序列は決まっています。全員がパフォーマンスを成功させた場合、事前に分かっていた通りの順位となります。逆転があるとすれば、失敗した者の順位が下がる場合しかないわけです。外から見ていると、この点は面白くないと感じるかもしれません。

    今回の競技会では前日の正午までに申告を終えることになっていました。申告書類を投函するBOXが競技会場に設営されたテントの受付台に置いてあります。私は明日が競技なので、この日申告を済ませました。事前の練習が思ったようにうまくいかなかったので、申告した数字は安全圏と思えるものにしました。

    午後には明日競技に参加するもう1名の選手が到着するので、空港に迎えに行きました。本番前日に到着して、まったく海も見ないままいきなり競技に参加するのですからすごいです。日本の社会人スポーツマンの典型のようです。
    時差ボケもあるでしょうし、本当に大変だと思います。

    夕方にはまたイベントコミッティに参加し、その後夕食の準備と言ういつものパターンです。この日もHHさんが魚をゲットしていたのですが、残念ながら食べられない魚でした。


    ■11月28日(土)
    いよいよ自身の競技本番の日がやってきました。当然緊張はありますが、思ったほどではありません。前日も眠れないというようなことはありませんでした。体調も良いです。
    サポートのYさんと、もう1名の競技者であるOさんを一旦エレンズインに迎えに行ってからブルーホールに向かいました。
    各選手の競技開始時間は厳密に定められており、1分の遅れもありません。競技開始1時間前には競技会場に来ているということを伝えるため、チェックインを行わなければなりません。単に受付で名簿をチェックしてもらうだけです。会場には1時間半ほど前に到着していました。チェックインは大体で良いと思っていたら、1分遅れただけで注意されてしまいました。

    さて、この競技はサポートが非常に大事です。選手は自分のコーチとして1名をサポートにつけることが出来ます。サポートは時間の管理をしたり、ウォーミングアップの手伝いをしたりします。最も重要なのは潜水を開始し、水面に戻ってきた後の30秒間です。
    水面に戻った直後は酸欠状態です。意識を失う可能性も高い瞬間です。コーチは選手に触れることは出来ませんが、声をかけることは出来ます。しっかり呼吸をして、意識を保ち、ロープにつかまって水面上に体を保持するよう、声をかけます。簡単に言えば「励まし」ですが、意識が朦朧としている際には非常に重要です。

    私は30分ほど前にサポートのYさんとともに入水し、プラットフォームへ向かいました。ウォーミングアップは10分もあれば終わるので、ほとんどは待機です。各選手には45分のウォーミングアップ時間が与えられますが、近年フリーダイビングではウォーミングアップをしない傾向になってきており、上級者ほどアップの時間が短くなっており、まったくしない選手もいます。もちろん生理学的に意味があってのことです。

    大体20分前にはアップも終わり、後はゆっくりとした呼吸を繰り返し、集中を高めるのみです。イメージトレーニングも行います。これからどのように潜り、どのようにターンし、どのように浮上するか、順に頭に思い浮かべて成功するイメージを持ち続けます。

    競技前1
    競技直前の私。

    競技前2
    競技直前、イメージトレーニングを行っています。ウェットスーツにはチーム名やスポンサー名が入っています。もちろん「こうろ(KOHRO)」も。

    私の前の選手は同じ日本人選手のOさんです。前日に到着し、練習出来ないままでしたが、見事に自己ベストで競技を成功させることが出来ました。かっこいいですね。
    さて、私もこれにあやかって成功させたいところです。意外なほど緊張もありません。むしろこの記事を書いている今の方が思い出して緊張しているくらいです。
    と言っても、自分で自覚していない部分で十分緊張はあったのだと思います。

    競技2分前からはカウントダウンがはじまります。英語でアナウンスが流れます。もちろん簡単な英語なので分かりますが、サポートのOさんが日本語で復唱してくれます。
    「・・・5、4、3、2、1、オフィシャルトップ」。カウントの最後は0(ゼロ)ではなくオフィシャルトップと言います。これ以降、30秒以内で競技開始が可能です。オフィシャルトップ後30秒を過ぎても潜水を開始しない場合、棄権とみなされ失格となります。
    こんなのはもう慣れていますので、オフィシャルトップから約10秒ほどで潜水を開始しました。すごく基本的なことですが、時々スタートの姿勢がくずれて失敗することがあります。この日はまずまずのスタートでした。実はこちらに来てから、練習の内容はあまり良くなかったものの、途中までの潜降は非常にスムーズで感覚的には夏より良い感じでした。逆に言えば前半部分が良すぎて後半の感覚が狂っているような感じはありました。
    この日も水深30mを越えるまで非常にスピーディーに潜れましたが、むしろ早すぎたせいで良くない結果となってしまいました。
    水深39m時点で右耳に嫌な感覚が走ると共に、ブチュッと何かがつぶれるような、聞いたことのない音がしました。瞬間的にこれは鼓膜を痛めた(破れたか穴が空いた)と判断し、すぐに潜降を中断しました。

    反転し、浮上を開始します。ロープを手繰って浮上します。ロープを掴んで引っ張ることにより推進力を得ることは反則行為なので、失格となります。そんなことは重々承知していますが、安全確保のため、失格になることは分かっていてロープを使用しました。鼓膜を損傷して三半規管に水が侵入すると、平衡感覚を失い、上下左右が分からなくなります。当然ですが、水深30m以上もあるところでそんな状態に陥るのは非常に危険ですから、万一方向感覚を失っても大丈夫なようにロープを確保したわけです。浮上の途中で強い痛みやめまいがないことから、すでに鼓膜の損傷が重傷ではないことに気が付いていましたが、それはそれです。

    水面へ戻ると、周りで見ている者もからも失格は明白なので、ジャッジからレッドーカードが出されます。
    失敗の原因は耳抜きという技術のタイミングの遅れです。普段やったことのないような失敗です。色々なことを考えましたがほとんど想定していなかったミスでした。とても複雑な心境でした。
    そもそもフリーダイビングはとても短い競技です。ウォーミングアップ時間を含めれば持ち時間は45分ありますが、実際の競技は潜り始めて2、3分で終了してしまいます。しかも1本のみの一発勝負です。
    日本から何十時間とかけてやってきて、事前に何日も練習しても本番はこの2〜3分がうまくいかなければそれまでです。
    今回のミスは2分の間のさらにほんの数秒、あるいはコンマ何秒の間に起こったミスです。

    最初少し落ち込みました。自分自身が失敗して残念ということもありますが、サポートしてくれたYさんに申し訳ないという気持がありました。また、応援してくれていた仲間に申し訳ないという気持もあります。そして代表としての責任を果たせなかったという気持もあります。
    しかし、同時にセルフレスキュー(自分の安全確保を自分で行う)が出来たという誇らしさもありましたし、この経験を伝えるという別の責任の重要さというのも感じました。
    また、別の選手の競技はまだまだこれからですし、その選手をサポートする使命もあります。そんな訳で落ち込んでもいられません。
    それ以前に今回は世界とのレベルの差というものも痛感しました。トップレベルの選手との差は分かっていたつもりですが、平均のレベルが考えていたよりずっと高かったです。はなから勝負になりません。この経験はまたモチベーションにつながるものでした。

    さて、自分の競技は午前中に終了です。ある意味開放感もあり、のんびり出来ます。この日はイベントコミッティもないので、夕方も十分時間があります。ただ、私は競技中に耳を痛めてしまっています。競技直後から痛みがありましたが、1時間ほどで収まりました。大会専属のドクターに診て頂いたところ、特に鼓膜に損傷はないとのことで一安心です。もし鼓膜を損傷していたら、絶対に水には入れませんので、残る日程の間、他の選手をサポートすることも練習に参加することも出来ません。そうなっていたら最悪でしたが、なんとかその事態は免れました。と言ってもさすがにこの日は水に入らずに耳の様子をみることにしました。

    他のメンバーは競技が終わった後、練習を行ったようでした。私は何もせずに宿でゴロゴロしていましたが、プールにも海にも入れないとなると本当に暇です。イベントコミッティもないので、ひたすら夜までボケッとしていました。夜になるとまたエレンズインに集合して食事です。この日はさらに1名が増えました。もともと日本選手は参加者が多いのですが、日に日に増えていきます。選手はもちろん、取材、サポート、家族、応援など色々な目的をもってロングアイランドまで来られています。今回17カ国が参加していますが、一際目立っていたと思います。

    さて、いい加減長くなりすぎてきたので、一回ここで区切ることにします。いつまで経っても投稿出来ませんので。

    つづく
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    【2009.12.06 Sunday 18:04】 author : 北原達馬
    | 若旦那のこと | comments(3) | trackbacks(0) |
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      【2018.08.21 Tuesday 18:04】 author : スポンサードリンク
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      この記事に関するコメント
       長旅、お疲れさまでした。本当に貴重な体験をされてきましたね。

       出不精の自分にはその行動力には感嘆するばかりです。

       お話の続きを楽しみにしています。
      | 空牙 | 2009/12/09 10:33 PM |
      読むだけで30分くらいかかったかも知れませんが、書くのはもっと時間かかってますよね。
      次が早く見たいです。
      | satomo | 2009/12/09 11:21 PM |
      おかえりなさい。
      初の世界大会、いい記録はついてこなかったけど、今後に繋がる、素晴らしい経験となりましたね。
      フリーダイビングの難しさ、奥深さ、そして何より大きな魅力が、とても伝わってきました。
      | ジュリア | 2009/12/10 1:41 AM |
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